限界集落の旅-栃木県日光市中三依集落の自給自足研究家のお宅でWWOOFer体験を通じて知ったこと-
今回は2018年に体験したプチWWOOFerのお話ですがその前に身の上話です。
2018年の4月から東京に住み始めた。
自分の身の回りで諸々、事情があり、4年間程生活していた京都を離れる必要があったため『限界集落の旅-東日本編-』を始める良いきかっけだと思いとっとと移動した。高額な東京のお家賃問題はルームシェアですんなり片付いた。
高額な家賃も男6人で分割すれば1人頭2万円/月で雨風しのげるので、家賃は京都に住んでいたときの半額以下になった。安く東京生活を満喫できるから非常に満足。
閑話休題。
▼目次▼
栃木県日光市中三依へ出発
生活環境も整い、東日本の限界集落旅開始。
中三依は『手落ち蕎麦』やきれいな水質で育った『アユ釣り』の名所であり、かつては『隠れキリシタン』の住処だったといわれる(隠れキリシタンについては別の記事で書きます)。
釣りの名所だけ会って春になってアユ釣り解禁になると多くの釣り人たちが訪れる。
この地域の鮎は狭い川幅に合わせて成長したため小柄な鮎が多いらしい(水温が冷たいという説もある)。中三依は何回か訪問しているが鮎をまだ、食べたことがないため2019年は鮎を食べに行こうと目論んでいる。
この集落でしばらく聞き込みをしていると集落の外れに自給自足をしてるお宅があると聞き、どんな人か知りたくって訪ねてみた。
15時くらいにお家を訪問すると(相変わらず何の連絡もなしにとりあえず会って交渉するからドキドキが止まらない)気さくなオヤジさんが玄関の玉砂利を電動のこぎり(?)で切っていた。
オヤジさんと色々、話し込んだ内容は別の記事にて紹介。
今回の記事では実際にここで僕が体験した内容を記載します。
WWOOFer体験
オヤジさんから『WWOOFer』(ウーファー)という仕組みを教えてもらった。
WWOOFerとは、お金のやり取り無く、オーナーはホストに仕事と食事と寝床を提供し、ホストはオーナーから与えられた仕事の手伝いを行うという仕組みである。
WWOOFerは下記Webサイトから登録できる(リンク貼っときます)。
多くの外国人がWWOOFerを利用してこのお宅に来るそうだ。
年間登録費用5,500円/年(初年度)
継続優待登録費
2年目 5,000円
3-4年目 3,000円
5年目以上 1,500円
▼WWOOFerとは▼
限界集落の旅で聞き教わった話で言うところの『手間替え』みたいなものだといえる。
この日は突然の訪問にも関わらず、対応してくださったどころか、ご飯や寝床もいただいたので、それではいけないと思い後日、伺ってWWOOFer のごとく家の仕事を手伝う約束をした。
しばらくして再訪問。
この日は気さくなオヤジ様は外出中で、奥さんにご対応いただいた。奥さんから『草むしり』の仕事をいただき、奥さんと二人で、このお宅の畑の草むしりをはじめた。
畑に腰を屈めて僕と奥さんと二人でひたすら草を抜く。土をしっかり絡めて地中に埋まっている根ごと草を引き抜くと土には小さなクレーター状のへこみができて、髪の毛よりもさらに細い真っ白な繊維状の虫がうじゃうじゃのたくっていた。これが土の中の日常か、このサイズの虫にもしっかりと内蔵が詰まっているのだろうか、などと思いながら更に草を抜く。
「抜いたらアカン草、ありますか」
「これトマトね。雑草っぽく見えるから初めての人は抜いてしまいがちだけど、トマトなのよ」
トマトの苗をまじまじ見たのは初めてで、確かに、野太く図々しく育った雑草にまぎれると、何かしらの雑草の一部かと思って抜いてしまいそうになる。
「僕はぬきませんよ」などと言いながら草を抜く。
草むしりで人の真理を知った
日常的に草むしりをする機会がないため、自分たちの草むしりのペースが早いのか遅いのか分からないが、奥さん曰く、通常の3倍くらいのペースで進んでいるという。人としゃべりながら作業をしているために、気がまぎれてドンドン前に体が進んでいくらしい。そういわれると僕もしゃべりながらドンドン草を抜いていっている。なんなら奥さんの倍は抜こうと多少意地になっている。
世間話をしている途中にふと奥さんがこんなことを言った。
「1 足す 1 は 2 じゃなく て 3 なのよねぇ」
奥さん曰く、人間は2人集まるとなぜか2倍以上の働きができるという。
「だから、やっぱり人っているだけで価値があるのよ。価値のない人なんかいないわ」
WWOOFerをやってて気づいたことらしい。
なんて良いことを言わはるんだろう、草むしりで人の真理を知れるなんて、奥さん…奥さん…奥さん…と思っていたら、トマトの苗を抜いてしまった。
「あぁ」
「あ!抜きやがったな!」
奥さんは笑っていた。結局終わるまでに2本も抜いてしまった。僕は血液型がA型のため、全体のうちから2本、というわずかな失敗が手痛かった。
お礼のお礼にと自家製パンと蜜とコーヒーをいただいた。
また後日、お礼のお礼のお礼に行く。
次回:『黒部温泉 元湯 四季の湯』入浴中のサラリーマンに部下との接し方を聴いた。
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