限界集落の旅:北海道小樽~岩見沢編-まずは知人の社宅に転がり込む-
平成最後の夏、2018年の7月から9月末まで北海道の小樽市に拠点を移し『岩見沢』という集落を巡っていた。フェリー『さんふらわあ』にホンダアクティと乗船し、茨城県の『大洗』から苫小牧の港まで19時間、波に揺られながら移動した。
フェリー乗り場到着
フェリー乗り場には普通乗用車やトラック、バイク乗りの人たちが列を作って並んでいた。
人生初のフェリーに妙にわくわくして、甲板に出てみたが天気が悪く、ほとんど何も見えなかった。潮風は何故かあまり気持ちよくなかった(何か気持ちが荒んでいたのだろうか)。Google mapで今の自分の位置情報を見たら、海上をものすごい高速で移動している様子が見られるんじゃないか?と思ってスマホを見たら圏外だった。中々、思ったように物事は運ばないなと思って船内に戻った。
船内の食糧販売
他にも売店がオープンしている。船内グッズやお酒などの購入はこちらでもできる(営業時間:乗船時~2:00 10~13:00 18:00~下船時)。
自販機で販売されている冷凍食品のハンバーガーセットを食べた後、台湾飯など船を降りるまでに合計3品食べてしまった。せっかく船に乗ったんだから!と無意味な食べ比べをしてしまったのを後悔した。十代くらいのバイク乗りの女性がカップ麺だけ買って生き生きと食べてる姿がまぶしかった。
冷凍食品の味は製造過程でたくさんの苦労を乗り越えたでろう完成度の高さを感じた。外国から帰国した日本人が冷凍食品を食べて感動するというのがよくわかる。ただ、あくまで冷凍食品なので、よっぽど冷凍食品フリークでない限り、わざわざ食べ比べる必要はない。
船内には大浴場もあるが、この日は持病のアトピー性皮膚炎が少しひどくなっていたので入浴は控えた。
寝室の様子
19時ごろに苫小牧の港に到着した。
船の降り際に40代くらいの男性2人がたまたま乗り合わせた30代くらいの女性と、なんだか口説てるみたいですね(笑)、みたいな話をしていた。船内ナンパという出会いもフェリーの楽しみの1つかもしれない。
知人の社宅に転がり込む
北海道での生活はなかなか大変だった。とにかくけがをよくした。それはさておき、生活の拠点は小樽市に置いていた。
小樽市には当時、某飲食店で働いていた知人(以下:T氏)がいたため、T氏の部屋の掃除や洗濯、目覚めのコーヒーを淹れたり、仕事を手伝ったりのギブアンドテイクの関係で部屋を貸してもらうことにした。
ある朝、寝ぼけ眼で煙をくゆらせヤニを堪能しているT氏のために、社宅のキッチンで淹れたコーヒーをスッと持っていくと、ありがとう、よりも先に、ふざけんな、と言われた。僕がパンイチだったからである(Tシャツは着ていた)。この時はズボンを履くよりもまず、コーヒーをお出ししなくては、と思っていたのだが、冷静に考えれば朝一番にパンイチの男が差し出すコーヒーは非常に気持ち悪い。間違った気の遣い方だった。
またT氏は視力が低く、半開きの寝ぼけ眼はタバコの煙でかすんでいた。そしてキッチンで僕の下半身は隠れていたため、T氏は僕がパンイチであることに全く気づかない。この偶然の重なりのせいでT氏にはコーヒーを受け取る直前、突如パンイチ男が目の前に現れたように見えていた。朝からイカ臭いテロである。大変、申し訳ないことをしてしまっていた。T氏からすれば朝一番にコーヒーを淹れてくれる気遣いはありがたいが、パンイチを晒す無神経さでもってトータルではマイナスといったところだった。
大変申し訳ないと思いつつ、僕はそのあと2回3回とパンイチ姿で夜明けのコーヒーをT氏に差し出すのだった。
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