限界集落の旅-インスタのメッセージで滋賀県の民泊オーナーから呼ばれた話-
最近の話:インスタグラムで旅の様子を配信していたら、滋賀県の民泊オーナーからメッセージが来た。せっかくだからその民泊に行ってみた。
【目次】
- インスタで嬉しいメッセージが送られてきた
- 滋賀県の民泊「キシダハウス」に到着
- オルゴナイトを取りにいく
- 【今回の格言】
- ■幸せな生き方・人間関係の作り方
- 「愚痴を言った後、どうできるかが大事」
- 「仕事はできなくてもいいけれど、人が何をしてほしいか(何をしてもらったら嬉しいか)察する能力は磨いた方が良いわよ」
- 「人はどこで過ごすかではなく、誰とどのように生きるか。自分がこうなりたいっていうのをパートナーに伝えられる関係でいること」
- 「ふつうのヤツよりヘンなヤツの方が良いねん」
- 「どんなに忙しくてもおしゃれを忘れない」
- 「相手を許すことからしか新しいスタートはできない」
- 「旅行をしてツアーで楽しみを与えられる人よりも自分で楽しみを探して工夫できる人の方が楽しく生きられる」
- 「徳っていうのはこの人に何かあげたからそのひとから何かもらえるんじゃない。この人に何かあげたら別の人から2つも3つももらえることがあるんだよ。人徳ってそういうもの」
- ■結婚・夫婦間
- ■問題解決の方法
- ■子育て・こどもへの言葉
- ■心の持ち方
- ■この記事のYouTube動画
- ■幸せな生き方・人間関係の作り方
インスタで嬉しいメッセージが送られてきた
僕はインスタグラムで旅の記録や人生の先輩方の名言を配信しています。
最近では記事へのフォローやコメントの他に、たまにメッセージも送られてくるようになりました。
「フォローありがとうございます」
「集落の旅、楽しそうですね!」
「SNSで副収入を得ませんか」
そんな中にこんな内容のものがあった↓
思わずニッコリマークを使って返信してしまった。
メッセージの送り主は滋賀県湖北の小今(こいま)で古民家を改造した
民泊「キシダハウス」を経営している岸田麻友美オーナー。
とても嬉しく社交辞令で終わらせるのが嫌だったため、このメッセージを送った数日後にお伺いした(フルハウスだったためこの時はとりあえず見学だけ)。
滋賀県の民泊「キシダハウス」に到着
へし曲がった流木よろしく鉄製の取っ手がへばりついたイカツく重厚な木(モク)の扉を開けると、室内には「よく来たね」と僕に話しかけるキシダマユミさん、そして既に集まっていた数人のマダムが料理の準備をしていた。
マユミさんに淹れてもらったコーヒーを飲みながら僕が旅をしている経緯を説明したり、インスタにアップしているトラベラーズノートの原盤をご覧いただきながらしばし雑談した。
実はこの日に民泊で『オルゴナイト』と呼ばれるアイテムを作るワークショップが開催されるため作業場所の設営やお茶菓子やその後の宴会の用意に忙しかった。
こちとら忙しいところにやってきて金も払わず見学していく身「それならば、なんか手伝います」とイベントが行われる和室に色々と設置し始めた。
オルゴナイトをつくろう
オルゴナイトとはもの凄く簡単にいうと宝石や金属類、ラメ、着色剤などを無色透明の樹脂で固めたキラキラしたアイテムで、それを置いた場所がパワースポットとなり自分の思想や信念が揺るぎないものとなる優れモノのことである。
作り手の心根のかわいらしさが、やわらかく形になった手作りスイーツである。
オルゴナイトが完成するのは樹脂が固まる約1週間後。
夕食の準備をする
マユミさんは僕を「親戚の子」みたいに感じていたらしく「アレ用意して」「コレ出して」と色々と指示を出してこられた。
「仕事はできなくてもいいけれど、人が何をしてほしいか(何をしてもらったら嬉しいか)察する能力は磨いた方が良いわよ」とアドバイスをくださったりもした。
このネエちゃんえらいやかましく調教してくるやないかと思いながら、初対面の僕に親近感を感じてくださることに感謝しつつお皿を出したりした。
主婦の方々の手腕により瞬く間に豊かな食事が完成した。なめらかな手つきは時間を圧縮しているような動きだった。
オトナのガールズトーク
食事も終わりしっとり酒たしなむ頃合いになった。
はじめは「(職場で)愚痴をいった後、どうできるかが大事よね」とか
「徳っていうのはこの人に何かあげたからその人から何かもらえるんじゃない。この人に何かあげたら別の人から2つも3つももらえることがあるってこと。人徳ってそういうもの」
とか素敵な話をしていたのだが(なぜかこのとき集まった方々の多くが格言を言いたがる)だんだん「オトコとは」「オンナとは」とガールズトークに移行していった。
こちらは食器を洗いながら聞き入ることしかできない状態である。
キシダハウスのガールズトークはHuluのテラスハウスよりも熱いかもしれない。
ちなみに後日、マユミさんにこの件を聞いたらヒートアップしたときの内容は「覚えてない」そうだから、僕もあんまり覚えていない。
この日、僕は22時頃、大阪に帰った。
オルゴナイトを取りにいく
慎ましやかな水質の温泉にはいる
後日、オルゴナイトが完成したとのメッセージが送られてきた。
本当なら着払いで郵送にでもしてもらえばいいのだが、今回は宿泊してみたかったから取りにいくことにした。
現在、生活の拠点にしている東京都から夜行バスで大阪に戻り、その足でキシダハウスを目指した。途中で寝たり休憩したから17時くらいに滋賀県の湖北に到着した。風呂に入っていなかったからキシダハウスに行く前に取りあえず温泉に向かった。
僕はアトピー体質なので温泉には観光というよりも治療の感覚で浸かっている(でも、別に語れるほど沢山の温泉に入っているわけではない。あくまで肌質よ良くなれと希望を込めて入浴している)。
体を保湿してくれている良質な脂を落としすぎないように長風呂しすぎないように気をつけながら...。
温泉の薬効がどれほど効果があるかわからないけれども水質によって肌が欲している効能があるか否かは感覚で分かるような気がするのだ。
とろみも香りもほとんどなく温泉の感じがしないのだが、細胞が湯の「薬」にあたる成分に恐れをなさずに、体に抵抗なく浸かれる、むしろ欲しているような水質だといえる(あくまで個人の意見)。
▼今回の温泉はこちら▼
「北近江リゾート 天然温泉 北近江の湯」
浴室には5つの浴槽と2つのサウナがある。浴槽はすべてジェットバス仕様で少し贅沢しているように感じられる。サウナはレンガと木でしつらえてあり、テレビなどは設置されておらず、純粋にサウナのみに集中できるストイックな造り。
水質はナトリウム-塩化物・炭酸水素温泉(低張弱アルカリ性温泉)
肌にストレスなく入れたため僕の肌には適していたように思われる。
「俺が温泉だぜ!」と主張する臭いも少なく細胞の結合を引きはがすことなく体を洗い流せる、三歩下がって体を管理してくれる慎ましやかなお湯である。
他にもハンドタオルが無料で1枚貸し出されている。
さらに会員証を作れば入浴料が900→600円になる(作った)。
おまけに施設内には4000冊の漫画とグテーッとしながら読めるスペースがある。
安心して入れる温泉なのでまた行きたいが、今度は違う所を開拓にも行きたい。
キシダハウスでタフなスイス人女性と話す
18時頃にキシダハウスに到着した。
今回宿泊する部屋に荷物を置こうと思って館内をうろついていると本日のゲストであるスイス人女性と出くわした。「ハロー」と挨拶し軽く話すことになった。しかしながら相手が英語で話してくれているのに、しかも結構ゆっくりと話してくれているというのに、とりあえず僕は英検準2級まではとったというのに、ここまで英語がわからなくなっているのかと愕然とした。聞き取れないし話せない。スマホの翻訳アプリがある時代に生まれて良かったような情けないやら。
大体理解した内容は
・彼女はナースでロードバイク乗り
・もう2ヶ月くらい日本を旅行している。
スイス「(スマホ写真)山を登っていたら行く先が立ち入り禁止になっていました」
僕「引き返したんですか」
スイス「いえ、突破しました」
僕「パワフルですね」
スイス「いえいえ」
スイス「(スマホ写真)更に進むとぬかるみだらけのトンネルがありました」
僕「さすがに進めなかったでしょう」
スイス「いえ、突破しました」
僕「タフですね」
スイス「いえいえ。とはいえタイヤがマッド(MUD:泥)に沈み込みました」
僕「タイヤがマッドに(MAD:狂いながら)沈んだ?」
スイス「MUDのマッドです」
僕「ああMUDですね。ではどうやって突破したんですか」
スイス「担ぎました。」
僕「やはりタフですね」
スイス「いえいえ。途中で泥に靴を飲み込まれて靴が脱げました。それでも進みましたがね」
僕「やはりタフですね」
スイス「これ(写真)を見てください」
僕「これは」
スイス「熊の足跡ではないでしょうか(笑)」
そんな会話をして各々の部屋に入った。
マユミさんと再会
民泊の近所のスーパーで買った生麺とラーメンスープでラーメンを茹でているとマユミさんが別件の仕事から帰宅しキシダハウスに来られた。
久しぶりの再会を喜び、完成したオルゴナイトを受け取った。
初めてにしては上手くできているらしい。
この日はしばらくマユミさんとウイスキーをくゆらしながらガールズトークに花を咲かせてから眠った。トークの内容はもちろん覚えてない。
シンガポール人客にフリスビーを教わる
よく早朝、スイス人女性は自転車で颯爽と京都に向かったようだ。
前日からキシダハウスにはスイス人女性以外にシンガポールから来た5人家族も泊まっていた。マユミさんも交えて各々の仕事や経歴を話した。
家族の長男に僕の旅の記録を描いたトラベラーズノートを見せたら「ナイスだ」という反応と「コーヒーをこぼしちゃだめか?」というシンガポールジョークが返ってきた。
陽気な国の爽やかなジョークに笑ってしまった。
異国でも果敢にボケる姿勢は関西人として見習いたい。
打ち解けて来たところで質問してみた
僕「ぶっちゃけ滋賀県の湖北は楽しい?」
長男『とても楽しいさ』
僕「おぉ!どのあたりがぐっときた?」
長男『ここはとても静かだ!まさに禅の世界だね』
僕「気に入った。あんたクールだ」
素晴らしい。座禅のポーズをとりながら「ZEN!」と答える長男に感服した。
何せこの一家はシンガポールにそびえる高層マンションに住んでいるようなのでもっと高級思想、もっと騒がしい享楽を求めて日本に来ているんじゃないかと思っていたらその逆だった。
この静けさの中にきちんとその地の文化や自分なりの楽しみを見つけている。
おそらくシンガポールの文化や教育のレベルが高いのだろう。
さっきの爽やかなボケから察するにこの長男はユーモアに関しても勉強していると見える。日本人はくだらん炎上をしている場合じゃないなぁと思った。
そしてこの家族の長男とその奥さんは2人ともフリスビーの選手であることがわかった。実際の試合の様子をスマホ動画で見せてもらった。
ルールはラグビーのようにフィールドを駆け回り、ボールの代わりにフリスビーをパスし合いゴールに向かって走る競技のようだ。
ちなみに日本は結構強いらしい。知らなかった。
なんやかんや話しの流れで一家の長男に少しだけスリスビーを体験させてもらうことになった。
しばらく遊んだ後一家は彦根城を目指してレンタカーで旅立った。
彼らはもう一泊するらしいけど僕は帰るから「サヨナラ」と 挨拶した。
部屋や浴室、廊下などを掃除してお昼御飯を食べにいった。
この掃除にわりと時間が掛かったため、もし、あの一家が忘れ物なんかを取りにキシダハウスに帰ってきて、そのときまだ僕がいたら別れの余韻を打ち消してしまうだろうと思い内心ドキドキしていた。
「十割蕎麦 坊主bar 一休」のしゃべくり坊主の巻
蕎麦本来の甘みや風味が楽しめる「十割蕎麦 坊主bar 一休」にお昼御飯を食べに行った。このお店はご住職の手造りだそうだ。木を基調とした店内は4人がけのテーブル数席と5人がけくらいのカウンター席でもって、ゆったりとした空間設計になっている。
この店のポイントはご住職の軽妙なトークである。
仏教の教えを柔らかな関西弁でユーモアたっぷりに説く話し好きのご住職に気持ちが和らぎ、ついつい夢中になって話してしまう。蕎麦を食べながら心身ともに癒される空間なのである。したがってご住職を独占(?)できるカウンター席に座るのがミソ。蕎麦と話しで心も体も健康になって帰れるのがこの店の最大の特典。
このときは「田舎十割蕎麦」と「十割蕎麦」の2種が盛り合わせになったものをいただいた。「田舎十割蕎麦」は蕎麦の実の皮ごとそば粉にしているため栄養満点である反面やや色黒な麺で、「十割蕎麦」は蕎麦の実の栄養をできる限り残しつつも外皮は剥いているため麺の色は白く洗練されている、こちらはお米で言うところの玄米の状態らしい。どちらもまずは何もつけずにそのまま食べて蕎麦の甘みを楽しみ、その後に塩を少量振りかけてより際立つ蕎麦の甘みを感じるのが理想的な食べ方とのこと。
指示通り食べてみる。しっかりと弾力を封じたまま形を保った細麺は、噛んでいるうちにほのかな甘みをにじませ、ご住職の解説もあってか蕎麦ってこんな味だったのかとインテリジェンスな気持ちになる。
「田舎」と「十割」との違いをいえば「十割蕎麦」の方が少し青みのあるような味わいだった。
ちなみに、この店の蕎麦は麺を練る際に小麦粉などの「つなぎ」を一切使わないため蕎麦の味がダイレクトに感じられる。
ご住職曰く「つなぎを使わないから十割蕎麦なのですがその分、ぼろぼろと崩れてしまうことがあります。それでもそのくずれた麺のほうが暖めたつゆにつけたときに味が良くなることがあります。何でも考え方捉え方で変わってきますね」
そういえば(うろ覚えですが)ご住職は、一つの世界で生きている人間が違う意見を持つもの同士敵対し合えば争いが起きてしまい共存ができなくなってしまいます。相手の考え方を「そういう考えもあるね」と認識して調和することがいわゆる「無になるということ」だとおっしゃっていた(多分)。十割蕎麦の麺の話しにも仏教の考え方が応用されているようだ。
夜は蕎麦屋から「坊主bar」になり、より饒舌な話しの場になるとか。
夜に行ってみたいものである。
※蕎麦の解説部分がうろ覚えで正確な内容かどうかはわかりませんが、実際に行ってご住職に聴くのが一番だと思われます。
蕎麦を食べてお腹と心が豊かになったところで本日は帰ることにした。
【今回の格言】
■幸せな生き方・人間関係の作り方
「愚痴を言った後、どうできるかが大事」
愚痴をいってガス抜きしたら次は問題を解決すること。
「仕事はできなくてもいいけれど、人が何をしてほしいか(何をしてもらったら嬉しいか)察する能力は磨いた方が良いわよ」
「人はどこで過ごすかではなく、誰とどのように生きるか。自分がこうなりたいっていうのをパートナーに伝えられる関係でいること」
「ふつうのヤツよりヘンなヤツの方が良いねん」
褒め言葉。
「どんなに忙しくてもおしゃれを忘れない」
忙しさに対して自分が被害者面をしない、卑屈にならないためのおしゃれ。
「相手を許すことからしか新しいスタートはできない」
相手を許せない頃の自分が未来に進む自分を通せんぼして、いつまでもそのまま。
ただ相手を許すのは難しい。しかし嫌いな相手にいつまでも足止めされるのも癪だ。
「旅行をしてツアーで楽しみを与えられる人よりも自分で楽しみを探して工夫できる人の方が楽しく生きられる」
静けさに「禅」を見つけられる心の豊かさがあれば名書は関係なくどこでも楽しい。
「徳っていうのはこの人に何かあげたからそのひとから何かもらえるんじゃない。この人に何かあげたら別の人から2つも3つももらえることがあるんだよ。人徳ってそういうもの」
見返りを求めない姿勢は多くの信頼を得られる可能世がある。
■結婚・夫婦間
「直感を信じる。相手を選んだ自分を信じる。選ぶ=責任」
「自分の汚いところを全部見せられる相手を選ぶ」
■問題解決の方法
「どうしようって思う時、思ってることを紙に書く」
解決策が見つかることが多いらしい。
■子育て・こどもへの言葉
「体の成長は親の責任。人生の成長は自分の責任。あなたの親だから前にはでるけど、1人になる強さも持ちなさい。そしたら周りに良い人が戻ってくるわ」
「バイトしながら親に生活のすべてを任せているなんてニート以下よ」
にっちもさっちもいかなくなってニートしているのではなく意図的にコントロールしてるのはニートよりたちが悪い。
「子育ては自分育て。叱る自分にも理由がある。子供はいくつになっても子供だけど、自分もいつまでも成長する」
■心の持ち方
「霊というものはいるにはいますが...それに意識がとらわれてしまっている人は何かその人に弱いところがあるのでしょう。自分の弱さを守るために神懸かった思想に走るのだと思います。いったいなぜ、守護霊の類いを信じるようになったのですか?その原因の根っこを知ることが説得への第一歩です」
「相手の考え方と共存する。無になる」
無になるといのは何も考えないことではないそうです。
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