限界集落の旅-千早赤阪村 二河原邊(にがらべ)集落編-名言のつるべ打ち-
前回の続き:千早赤阪村(中津原集落)で開催された高齢者主催のクリスマスパーティに参加した僕。パーティ後、村内の飲食店で出会った地域おこし協力隊の方に村内の二河原邊(にがらべ)集落のクリスマスパーティにも呼ばれ参加することになった。このクリスマスパーティでは地元出身の2人組歌手「ツルビル」のライブが開催される。2人の目的は新たな村歌をつくることだった。
▼前回の続き▼
目次
- 待ち合わせ時間に遅れる
- ツルビル LIVE開催
- 名言のつるべ打ち
- 「人生の先輩として君に言わせてらうと、成功するためには会社を3つ変わらないといけない。だから君はあと1つだ!」
- 「笑えるって財産。この財産はなくならない」
- 「アホなことして笑って過ごせる友達も財産。財産は量よりも質よ!」
- 「私、毎日楽しいこと探してるから、ピークはないけど、ずっと楽しい人生よ!」
- 「スーパーで2160円以上買い物すると貰えるスタンプ、御朱印みたいに押してくるの。毎週水曜日はツアーだわ!」
- 「シワは勲章よ!シミも勲章!生きてきた勲章!」
- 「男ならこうあるべき、と思わずに、普通でいてください」
- 「言葉はいらないと思います。本当にしんどい人には何も言えません。一緒にお茶するくらいです。(アドバイスするんじゃなくて)『~しよてみたら?』じゃなくて『~しようや』で一緒にするといいわよ」
- この辺の豆知識1「高貴寺」
- この辺の豆知識2「足利尊氏」
待ち合わせ時間に遅れる
高速道路の降り口を間違えてしまった。
スマートフォンのナビ機能を使っているのにも関わらずやらかしてしまった。
千早赤阪村に向かっている道すがら高速の二股に分かれた分岐点で右を選び、そういえばこの間は左を進んだような気がすると思ってスマートフォンを見たときにはもう遅かった。ナビ機能は一生懸命に別ルートで目的地までの道を探していた。
もう一旦別の降り口から高速道路を降りて、迂回して、また高速道路に乗って、然るべきところで降りるしかない。これで20~30分くらい遅れてしまうことになる。
くたばれ、くたばれと自分を呪いながら高速を降りて最寄りのコンビニに車を停めて京案内してくださる地域おこし協力隊の方に電話連絡する。
事情を説明すると「おお、気を付けてね~」とおおらかなご対応。
こういう時のおおらかな対応は申し訳ないやら、なんか怖いやら、生きた心地がせんまま目的地に向かう。
当初の待ち合わせ時間から30分ほど遅れて千早赤阪村の「くすのきホール」に到着。
地域おこし協力隊の方と地元出身の歌手「ツルビル」の2人に平謝りしながら車で会場の二河原邊の古民家へと向かった。
ツルビル LIVE開催
古民家に着くと「ツルビル」はライブの準備を始めた。
-ツルビルwiki-
さくちゃんは千早赤阪村の出身でまっちゃんは南河内出身の学生時代からの音楽仲間である。かつて二人は千早赤阪村の村歌を作り、現在でも地元の中学校の卒業式で歌い継がれている。
今回、二人は千早赤阪村の13の集落を巡り現地に住まう高齢者の方と語らい拝聴した言葉を基に「地元を超えて独り歩きする新たな村歌」を紡ぎあげるため地元でのライブ活動を行う。
※ツルビルの由来はまっちゃんのツルっとした頭と、さくちゃんのふっくら唇。
二人のチャームポイントを合わせて完成されたバンド名である。
いい意味で青さを残した村歌と柔らかなMCが紡ぎあげる笑い交じりの柔らかなグルーブで会場はひとつに。ツルビルは自身の代表曲「より道」「こころ」「村歌」等数曲と赤鼻のトナカイを歌い上げあっという間に最後の曲に。演奏終了直後、曲席にいたマダムが立ち上がり「わたしも明日から頑張る!」と熱い声。
「アンコールはないの?」との声に「いいんですか?」とツルビル。
アンコールで盛り上がりは最高潮。
客席のマダムがまた立ち上がり「今までで1番良かった!」と最高のラブコールが響いた。
※写真は後で追加予定
名言のつるべ打ち
ライブの準備中やお茶の時間に村の人と話した時に聞いた名言をお届けします。
僕が自己紹介をして会社を1年で2つクビになったことや旅の経緯を話すと。
「人生の先輩として君に言わせてらうと、成功するためには会社を3つ変わらないといけない。だから君はあと1つだ!」
なんだって?と聞き返したくなるわと思っていると。
「学校を決めるのも就職先を決めるのも3つ目がいい。1つ変わるごとに人は打たれ強くなっている。この打たれ強さは仕事をするうえでも結婚生活を送る上でも必要だ」
なるほど理にかなっている。
するとが「僕4つ変わってますけど多すぎですか?」とライブの準備していたさくちゃんの一言。※大丈夫らしいです。
お茶会の時に座った席の近くにいらっしゃったマダムから「人生の財産」について。
「笑えるって財産。この財産はなくならない」
このマダムは56歳のときに受けた健康診断の結果がすこぶる悪くて落ち込んだ。
「回復した57歳から第二の人生だと思ってもう後は好きなことして生きようと思った。65歳で診断に行くもやめた。すっごい楽よ。どん底を知って笑えるようになってから人生が始まったの」と語る。
「アホなことして笑って過ごせる友達も財産。財産は量よりも質よ!」
仕事がうまくいってないときに励ましてくれたり、モンハンでひと狩り誘ってくれたあの友人たちは最高なんだなと大事にせねばならんなと再確認した。
「私、毎日楽しいこと探してるから、ピークはないけど、ずっと楽しい人生よ!」
「スーパーで2160円以上買い物すると貰えるスタンプ、御朱印みたいに押してくるの。毎週水曜日はツアーだわ!」
近所に住んでいる友達の車に乗せてもらってスーパーに行き、ご飯を食べて昼間で遊んで帰ってくるツアーらしい。
凄く楽しそうだ。
乙女の心得
「シワは勲章よ!シミも勲章!生きてきた勲章!」
なんとカッコいい!
「かっこいいじゃないですか!ちょっと写真一枚撮らせてください!」
「写真は撮らないで!」
異性との付き合い方
「男ならこうあるべき、と思わずに、普通でいてください」
乙女との付き合い方を教えてくださいというとさっと答えが返ってきた。
「じぶんはこう思うって伝えて上手くいかないならその人とは、はじめっからダメよ!きちんとダメなところも見せないとね」
「それはなかなか難しいですね」
「そうよ。自分のダメなところを見せて普通にしてるって難しいですよ」
あなたを見てると私の弟を思い出すわ。私の弟もちゃんとれない結婚したから大丈夫よ。と励まされた。
しんどそうにしている人にはどうすればいいですか
「言葉はいらないと思います。本当にしんどい人には何も言えません。一緒にお茶するくらいです。(アドバイスするんじゃなくて)『~しよてみたら?』じゃなくて『~しようや』で一緒にするといいわよ」
熱い。熱すぎる。
千早赤阪村の12月とはこんなにも熱いものなのでしょうか。
僕は名言のつるべ打ちにありがとうございますといいながらもクラクラとしてた。すっかり顔も老け込んでいるに違いない。
なんせこれだけの名言を浴びたのだから精神年齢が5歳は老けたのだろう。
老けたところでこの日は帰った。
この辺の豆知識1「高貴寺」
「心に冷や汗を書かく、夏に来るとちょうどいいよ」
お化けでも出そうな物凄く怖い雰囲気のある場所だという。
この辺の豆知識2「足利尊氏」
この辺りの地域は足利尊氏の因縁があり「憎き尊氏」と伝えられている。そのためかつては蚊帳から足を出して寝ているところを蚊に食われたら「足、蚊が食べた(足利食べた)」と揶揄するようなことを言ってたらしい。
次回:千早赤阪村の元校長と出くわす。
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