限界集落旅の名言

限界集落等の過疎地に住む人生の先輩方から「人生訓」を収集する旅

限界集落の旅-お世話になった方々にお土産を渡しに行く活動-

2018年11月頃、北海道の集落旅から帰ってきた僕は本州の過疎集落でお世話になった方々に北海道土産を渡しに行く活動をしていた。当時は純粋な恩返しのための活動だと思っていたが、今思えば自分の罪滅ぼしの(そしてあわよくば好感度を上げる)ための活動だった気がする。

 

▼前回の記事▼

genkaishuraku.hatenablog.com

 

というのも僕が行っている『過疎集落の(主に)シニア層に人生訓を聞く活動』で、現地の人に面倒な思いをさせているのではないかという、当初から薄ーく霧のように漂っていた感覚が旅をするほどに濃くなって体をコーティングするようになってきたため、何かしらの活動で誰かからの許しを請いたかったのだろう。

余所者が現地の人と多少交流した程度でいい関係になることは難しく、それも集落側の立場になって考えるほどに納得で、もしも自分が地域おこし協力隊として集落で必死に働き、2~3年の任期期間中に本気で集落の方々からの信頼を得て集落を良くしようとしているときに、どこの馬の骨ともわからない輩が突然やってきて「集落の人と話したい」とか言い出したら、なんやコイツは犯罪者か?と思うような気がする。


僕の活動を『良い行いだ』といってくれる人がいる反面『若干の迷惑行為ではないか?』という自分への疑問が表面化していた時期だった。だから恩返しではなくは罪滅ぼしが近い。そしてお土産を持って行ったこともブログに書くだろうから純粋な恩返し度はさらに低下している気がする。

 

当時ルームシェアしていた家からお土産持って出発しようとする僕に「エライなぁ、ちゃんとそういうことして」と声を掛けてくれたKさん、僕は雑念だらけでお土産を渡しに行ったのかもしれません。

 

■お土産を渡した人:シニア経営者
そんなわけで某集落のシニア男性に北海道土産を渡しに行った。
このシニア男性は某集落内で奥さんと一緒に、ニコニコしながらお店を経営している。初めてこの集落を訪れたときにまずはこのお店で情報を収集しようかと思い入店した。
『僕は人生の先輩方に人生の格言を聞いて歩いています』
という僕に対してニコニコ対応してくれて、人生とはなんぞや、この辺りの地域にはこんな秘密があるとか、一通り話してくれた。そして僕が店を出るときに
「また明日この店に来なさい。そしてこの集落で聞き集めた話を聞かせてくれ」といってくれたので、翌日また店に行ってシニアに挨拶したら「本当に来たのか!」とびっくりしやがったのだった(当時は、なんでやねん!という思いが強かった)

「いやな、君が本当に今日やってくるのか嫁と賭けをしてたんだ。嫁のヤツは“あの子は絶対に来るわ!”と言ってたんだけどさ」
「君は人がよさそうだ」「身なりの雰囲気が違う」など僕に評価をしつつもシニアは様子見だったらしい。人を初見で判断しないのは経営者の処世術だろう。
しかしながら、このときの僕は悔しさの方が勝っていた。
『僕!近々、北海度に行きますから…帰ってきたら絶対にお土産持ってきますからね!』
と捨て台詞を吐いた。
「楽しみにしとるよ」
とかシニアが言ったか、言ってなかったか。
それから約4か月。

 

集落に到着。
このときは11月で集落にあるほとんどのお店が冬季休業中だった。開いているのはせいぜい、うどん屋さん1件程で、シニアの経営する店も冬季休業中だった。

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11月

僕はシニア夫婦の住まいの場所を知らない上に、集落自体がほぼ冬季休業中で住人が家からあまり出ず聞き込みも難しい。取り合えず顔見知りの集落の住人からシニア夫婦の住まいの位置情報を聞いて、シニアの家を探し当てたときには18時頃だった。外にはほとんど街灯も無く、雪が積もる足場をスマホの灯りで照らしながら、サクッサクッ、っとシニアの住まいに到着した。

 

『ごめんください』
どちらさまですか、と奥さんが玄関を開けてくれた。
『お久しぶりです4か月くらい前にここに来た僕です北海道から帰ってまいりましたのでお土産を持ってきました』
「あら久しぶりねー。あれからどうなったか気になってたけど連絡先もわからなったからね~わざわざありがとね」

ありがたいことに奥さんが僕を覚えていてくれた。そして、やや遅い時間だったが嫌な顔をされなかったのには一安心した。
シニア夫婦は夕食の時間だった(食事時でスミマセン)。玄関から食事の並ぶちゃぶ台が見えた。シニア男性は居間の奥から相変わらずニコニコしてこちらを見ながらで白米を口に運んでいた。食事の邪魔をしてはいけないのでお土産を渡してすぐ帰った。

 

雪が溶けた頃にまた店に行こうと思ったが、その頃(2019年)には無期限で群馬県に出向しており、さらに2020年5月現在、無期限で佐賀県に出向していることやコロナで、あの集落になかなか行けない。

 

次回:続、お世話になった限界集落の人に北海道の土産を渡しに行く活動

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